- 水耕栽培の情報が多すぎて、どれを信用したらいいの・・?
- 初心者が知っておくべきことは?
こんな疑問をお持ちではないでしょうか。

こんにちは!橘 葱太郎です。
水耕栽培のことを検索すると、ネット上では色々な情報が見つかります。
書かれていることを調べてみると、「だいたい正しそうだけど微妙に違うんじゃないかな~。」というケースもあって、初心者にとっては混乱しかねない状況。
今回の記事では、そんなネット情報を整理しつつ真偽を考察していきます。
水耕栽培に関する、ネット情報のウソとホント
ネット上には水耕栽培についての情報が山ほど転がっておりますが、今回考察したネット情報は以下のようなもの。
それでは一つずつウソとホントを考察していきます。


土耕栽培よりも野菜の成長が早い


「水耕栽培だと成長が早くなる」ってのはよく見られる情報です。
ですが、「水耕栽培だと」ってのはあまり正しくないです。
作物の成長速度が早まるのは、温度・湿度・CO2などの環境コントロールあってのもの。根の環境が土から養液に変わっただけだと大きな変化はありません。
植物工場で野菜を育てると、葉物野菜なら播種から1ヶ月程度で収穫できますが、これは作物にとって最適な環境を人工的に作り出しているからなんですよねー。
とはいえ水耕栽培だと根周囲の環境をコントロールしやすいのは事実でして、そこは土よりも有利になるのは事実かな。ということで△としました。
根の環境が有利な分、生育も多少早まるかもしれないですしね。
天候に左右されない


これも「水耕栽培だから」ってのは微妙に違ってます。
水耕栽培であっても、外に設備があれば当然ながら天候の影響を受けます。
天候に左右されないというのは、室内で栽培する環境だけが当てはまります。
じゃあ室内での栽培ってどういうもの?というと、近年増加している植物工場がそうです。植物工場のような「室内で大規模に栽培」をする場合は、やはり水耕栽培の設備が使いやすく採用されやすいのです。
植物工場はたしかに天候に左右されませんが、それがいつの間にか「水耕栽培」=「天候に左右されない」に変わってしまったのでしょうねー。
完全に間違えではなく、実質的に植物工場では水耕栽培が採用されているわけなので、△にしておきました。
管理する手間が少ない


これはホント。私としては水耕栽培のメリットを最も強く感じる部分であります。
植物工場のような大きな設備の場合、管理コストを大きく下げることが可能ですし、家庭菜園規模の設備であってもメリットになります。
こういった水耕栽培のメリットの話は、ヤサマガ内の別の記事で何度も書いてます。このあたりも参考にどうぞ。


洗わないでそのまま食べられる


水耕栽培の場合だと、虫が発生するリスクが低く、農薬を使わなくても栽培が可能なので衛生的です。
とはいえ、生育過程で養液や養液の汚れが付着することもありますし、洗わなくて良いかと言われると微妙ではないかと…。
私の自宅では室内の窓際で水耕栽培装置が稼働していて、収穫した野菜を定期的に食べておりますが、毎回洗ってから食べています。
ずっと家の中で栽培しているのになぜ?と思うかもしれませんが、家の中で栽培したとしてもホコリを被ったり養液が付いたりしますからねぇ。
ちなみに養液ってのは意外と汚れやすくて雑菌が増殖することも。
ただ、実際に植物工場で作られた野菜の衛生レベルが高いことは事実で、露地の野菜と比較して付着している雑菌が1/10~1/100ほどのこともあります。
すごく衛生的なのですが、それでも「洗わないでそのまま食べられる」と言い切るのはちょっと・・・、ということで△にしました。
まぁ確かに水耕栽培だと、露地の野菜と比べて洗って土を洗い落とす必要はないですけどねー。
省スペースでも栽培できる


省スペースで栽培できるってところは水耕栽培のメリットですよね。
というのも、設備次第ではありますが垂直方向に大きくすることも可能で、このような手法は垂直栽培と呼ばれています。
狭い面積でも設備を高く積み上げることで、多くの野菜を栽培できるわけです。
こういった設備は野菜の真上に積み重ねるわけなので、太陽光では育てられません。LEDなどの人工光が必須となります。
植物工場でもこの手法が用いられていて、多くの段数を積み上げるほど面積当たりの収穫量を増やせるようになっています。
アパートなどで家庭菜園を始める場合は、広い栽培スペースを確保することが難しいですが、水耕栽培なら上方向に高くすることで解決できるわけですな。
水耕栽培が家庭菜園向きなポイントの一つです。
始めるのにお金がかからない


水耕栽培は、ペットボトルなどの空き容器だけでも始められる。って話をネット上で見かけます。
たしかに始められるのですが、しっかりと大きな野菜を育てようと思ったら、やはりそのような設備だとパワー不足です。
どうせ水耕栽培をやるなら、ポンプを用意し、養液の流れる設備を組み立てて、循環式の水耕栽培をやることをオススメします。その方が作物にとって良い環境になりますので。
水耕栽培のDIYというとハードルが高そうにも感じますが、やってみると意外と簡単にできちゃいますよー。
というわけで、「お金はかかる」ってことで×としました。
ちなみに水耕栽培キットという製品も市販されていますが、そういった製品もなかなか高価なものです。そして、高価な割に栽培できる株数が少ないですのでコスパとしては微妙。
でもインテリアとかオシャレさを求めるならアリかなという感じです。まぁ以下のような製品だとコスパとしても悪くなさそうです。


ED付きのものや全自動を謳っているものは特に高価です。
かくいう私は、どうしても生産性の方を求めてしまいますので、オシャレさは二の次で自分で構築した水耕設備を使って栽培しております。



オシャレより、たくさん食べたい
まとめ
最後までご覧いただき感謝です。
この記事では、「ネット上で見つかる水耕栽培情報のウソ/ホント」を解説してきました。
家庭菜園で水耕栽培を始める際にはぜひ参考にしてみてください。
ヤサマガでは、水耕栽培に関する知識や技術を発信しております。他の記事もぜひ参考にどうぞ。
コメント