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48通りの光×気温×水温から、レタス栽培の最強パターンを検証

野菜に大きく育ってもらうには、ドンドンと光合成をしてもらう必要があるわけです。

そして、世話役として野菜に仕える私たち。

どうしてあげればノビノビと育ってもらえるか。その方法は日夜研究され続けております。

\野菜の栽培に役立つ知識をまとめてます!/

光合成効率は、光やCO2濃度、温度、その他諸々の影響で増減することがわかってきていて、環境をコントロールしやすい設備として植物工場なんかが作られているわけですな。

とはいえ、植物工場の生産コストは高いため、

少ないエネルギーで、たくさん収穫するにはどうすりゃいいの?

という疑問の答えが待ち遠しいところ。

で、今回紹介する実験では、光強度、気温、水温の条件を細かく分けて、なんと48通りの組み合わせで検証してくれてます。

なんでも、レタスのベストな生育環境を見つける!ってことを目的に行われたそうな。

今回参考にしたのは、ワーヘニンゲン大学の研究チームがまとめたこちらの文献。

目次

48パターンの組み合わせと、他の環境条件

それでは実験方法です。

冒頭のとおり、光強度(PPFD)、気温、水温の条件を組み合わせて、48パターンの環境を作り出しています。

ほかにも照射時間、CO2、飽差といった条件も管理していますが、それらは変化させずに固定です。

検証された環境の組み合わせ

PPFD(μmol/m2/s)

3パターン

  • 200
  • 400
  • 750

気温(℃)

4パターン

  • 20
  • 24
  • 28
  • 32

水温(℃)

4パターン

  • 20
  • 24
  • 28
  • 32


上記のように、3×4×4の組み合わせで48パターンです。

他の環境は以下のような感じですが、こちらは全て共通の固定値です。

  • 照射時間:(明)16時間、(暗)8時間
  • CO2:1200ppm
  • 飽差:(明)5.8hPa、(暗)3.5hPa
  • 密度:25株/m2
  • EC:2.0

ちなみに環境の設定値は、複雑に絡み合って植物へ影響を与えます。

それを整理した図がこちら。

文献に添付されていたものを元にして、若干修正しております。

気になる方は文献の方もどうぞ。

光が強いと収量は多いけど、最適解ではないかも

それでは実験結果です。

まずは光強度が高くなるほど収量も増加したそうで、これはまあ妥当な結果ですな。

ただし、高くなるほど光の利用効率は低下しちゃったようで、コストとのバランスを考えると高ければ良いわけでも無さそう

研究チームでも、

作物の価値と、光のコストなどのランニングコストを考慮して、最適な光強度を決定する必要がある。

と言っております。

つまり、コスパ最強になる路線で考えていった方が良いよー。ってなわけです。

では個別に結果を見ていきましょう。

項目別の実験結果まとめ

チップバーン

  • PPFD400以上、気温28度以上、水温24度以下、の条件(8通り)でチップバーンが過剰に発生。
  • 全ての場合で、気温が高くなるほどチップバーンが増える傾向にあった。

収量

  • PPFDに比例して収量が増加。
  • 気温でも変化し、24度で最高、32度で最低。
  • 水温は影響が少なかった。

TDW:全乾物重

  • 収量と同じような傾向。

SMF:地上部乾物重量/全乾物重量

  • PPFDの影響は無かった。
  • 温度、水温はわずかに影響があり、24℃で最も地上部乾物重量の比率が多かった。

より多くの光合成産物が地上部へ分配された。=収量増加へ寄与ってことでしょうかね。

SLA:乾物重あたりの葉面積

  • 葉面積だけ見ると、移植後15日目まではPPFDによる影響がなかったが、それ以降はPPFDが高いほど葉面積が大きくなった。
  • ただし、PPFDを上げると乾物重も増加するため、乾物重あたりの葉面積は低下。
    →PPFDが高い場合、葉面積の増加以上に乾物重が増加した。
  • 気温・水温もわずかだが影響有り、気温24℃が最高。水温は28℃が高いが気温に比べると影響は少なかった。

DMC:新鮮重と乾物重の比率

  • PPFDと水温は影響なく、比率は一定。
  • 気温が高くなると新鮮重の比率が下がる。
    葉の含水率が下がる

光の利用効率(葉が受けた光量当たりの新鮮重)

  • PPFD200が最高で、さらに高くなると利用効率は下がる。
  • 気温は24度、水温は28度がベスト。
  • 乾燥重の場合、PPFDの傾向は同じだが、気温・水温からは影響を受けなかった。

結論、気温は24度、水温は28度

長くなりましたが、結論はこんな感じ。

  • 気温:24度
  • 水温:28度
    の環境条件だと、パフォーマンスが良かった。

植物工場だと、通常は気温と水温は同じくらいの温度になるので、水温は加熱が必要ってことに・・・。

でも加熱はなかなか難しいので、両方24度に設定するのが妥協点。というところでしょうかね。

それに水温を上げすぎると養液中に溶けている酸素濃度が下がってしまうので、植物にとっては酸欠になりやすいという別の問題も。家庭菜園とかだと特に注意が必要で、ブクブクが必要になるかも。

光、気温、水温と生育への影響を整理しておくと、いざ環境設定を考える上で参考になりそうです。

ヤサマガでは、水耕栽培に関する知識や技術を発信しております。他の記事もぜひ参考にどうぞ。

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