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レタスの栽培で適正な飽差の管理方法を検証しようとした実験

飽差とは空気中に含ませられる水分を表す指標ですが、飽差が植物にとって重要ってことは、よく知られた事実。

植物が良好に生育できる飽差条件についても、多くの研究がされています。

ところがこれまでの研究は、飽差が「一定」の条件で調査されることが多かったんですな。

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今回ご紹介する研究では、まさにそのあたりに切り込んでおりまして、

栽培している途中に飽差が変動すると、光合成や成長にどんな影響があるの?

ってところを調べてくれています。

ちなみに飽差が変動ってのは、昼夜間の自然な変動のことではなく、意図的に飽差をコントロールしております。

実験の目的として、研究チームによると、

本研究では、温室で栽培される最も一般的な野菜であるレタスの光合成および生育特性に及ぼす飽差変動の影響を明らかにすることを目的とした。

とのこと。

たしかに完全閉鎖型の植物工場であっても、外気温の影響や照明設備の熱によって温度や湿度が変化します。

どうしても多少の変動はするものですし、変動するとどんな影響があるかは知っておきたいところですな。

今回参考にした文献はこちら

目次

飽差変動によって光合成効率や収量がどうなるかを検証

それでは実験方法です。

実験に用いた品種はロメインレタス。これをロックウールに播種してスタートです。

実験期間中の環境はこんな感じ。

  • PPFD:200 μmol/m-2 s-1
  • 光周期:(明)16時間 /(暗)8時間
  • CO2濃度:400 ppm

そして、肝心の飽差環境ですが、2種類の変動条件を設定しています。

ゆるやか条件:

  • 高(1.32kPa)を7分間
  • 低(0.86kPa)を3分間

急激条件:

  • 高(1.63kPa)を6分間
  • 低(0.63kPa)を3分間


上記の2パターンで飽差を変動させ、比較検証しているわけです。

で、結果を分析した項目はいくつかありまして、

  • 光合成効率に関するものいくつか
  • 収量、葉面積など

といった感じ。

飽差環境の変動による、植物の反応を分析しております。

frontiers:Minimizing VPD Fluctuations Maintains Higher Stomatal Conductance and Photosynthesis, Resulting in Improvement of Plant Growth in Lettuce(2021) https://doi.org/10.3389/fpls.2021.646144

飽差の変動には、植物はかなり敏感に反応するようだ

それでは結果を見ていきましょう。

急激に飽差が変動すると悪影響がある

まずは、飽差変動が「ゆるやか条件」と「急激条件」とで、どういった差があったかです。

植物の反応を整理すると以下のような感じ。

光合成効率系のパラメータ

  • 急激条件では、測定した全パラメータが時間経過と共に低下。つまり光合成効率が低下した。
  • ゆるやか条件では低下せず。

乾燥重量、葉面積(1週間おきに調査)

  • どちらの条件でも、2週間目までは差がない。
  • 急激条件の方は、3週間目に乾燥重量と葉面積が低下。
  • 葉数には差が無い。

というわけで、「急激な飽差変動は光合成に悪影響」ってことが確認できます。

そして、光合成効率が落ちてしまうことで、生育後期には重量も伸び悩むのでしょうねー。

で、さらに別の検証が進められまして、「変動時間」が違うとどうなの?。というもの。

変動の周期の違いでは、影響はあるのか

上記の実験は変動幅が「ゆるやか」か「急激」か、でした。

次は、変動時間(周期)の検証です。

検証した時間周期は、以下の3パターン。

  • 一定
  • 短い
  • 長い

やっぱり飽差が変動すると良くなさそう

  • 飽差が一定だと、光合成効率も一定。
  • 飽差変動があると、光合成効率は落ちる。(周期が長いと、より光合成効率ダウン)

結果はこんな感じ。

全体として、飽差が変動するとマイナスの影響が大きそうですねー。

結論、飽差は変動させない方が良いでしょう

結果を見てみると、植物は飽差の変動にかなり敏感に反応するんだなーという感じ。

とはいえ実際には、光の強さ、CO2濃度、気流なんかにも影響を受けます。

まぁ栽培管理的には、

飽差は一定にしとけ

ってことで良いんじゃないかと。

ただ、今回の話は昼夜間の差の話ではないのですが、そちらについても気になるところです。

ヤサマガでは、水耕栽培に関する知識や技術を発信しております。他の記事もぜひ参考にどうぞ。

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